歯磨きは1日3回毎食後って普通に信じてましたが、実は非常識なことだったんだということが、本田俊一氏の『長生きする人は唾液が多い (フォレスト2545新書)』という本に述べられています。

食後の歯磨きがよくない理由
飲食後に口の中は、口の中に残った食べかすなどが細菌に分解されることによって酸性化してきます。
酸性化してくると歯の表面(エナメル質)が柔らかくなって溶け出してきます。
これを数時間かけて修復していくのが唾液の役割の一つです。
ところが、歯磨きやうがいによって一気に唾液が失われると、歯の修復がうまくいかなくなってしまいます。
ましてやブラッシングしてしまうと、柔らかくなっている歯の表面を余計削ってしまうことになります。
食事の後は水を口にふくんでクチュクチュして飲み込む(これが本来のお口直しらしい)のが一番と上の本で本田氏が力説しています。
できれば、食後はガムを噛んだりして、口の中や舌の上に残る、食べかすや飲みかすを取り除きながら、新鮮な唾液を流して口の中をきれいにしたいところです。
本田氏は、爪楊枝の使用も推奨しています。
歯磨きをすべき時はいつ?
では、本当に歯磨きをすべき時はいつなのでしょうか。
それは起床直後です。
そもそも歯磨きは何のためにおこなうのでしょうか。
それは歯磨きは、「虫歯や歯周病を予防するために、細菌の塊であり歯垢を取り除く」ためにおこなうのです。
歯垢は夜寝ている間に作られ、歯垢1gには、1000億個以上の細菌が生息していると言われます。
とすれば歯磨きをおこなうべきタイミングは、起床直後ということになります。
しかも、起床直後の唾液は、口の中で一晩かかって培養された最高濃度の細菌溶液となっており、菌数は1mlあたり1兆個以上と言われます。
さらに、細菌が作り出した内毒素も最高濃度となっており、起床直後に歯磨きをせずにそのまま朝食を摂れば、その細菌が体内に入っていくことになるわけですね。
コワッ。
この事に関連して、川合満氏の『朝、起きてすぐの歯みがきが、あなたを守る』は、起床直後の歯磨きがインフルエンザの予防に大きな影響を持つことが述べられています。
食事直後には唾液の中の細菌がほとんどいなくなり、唾液の量も増えます。
そのタイミングで歯磨きをして唾液を洗い流してしまうのは、大きな損失となるわけです。