教員の職務に必要な時間を足してみたら週100時間を超える件

教員の職務を書き出してみて、それぞれどのくらい時間が必要なのかを見積もって、それを足したら週100時間になってしまったので、その詳細とかなり大胆な解決の方向性を考えてみました。

まず初めに

最近になり、ようやく教員の多忙化とそれによる超過勤務について話題にのぼるようになりました。
ちょっと前までは、某巨大掲示板などで教員と思われる人が「勤務が辛い」などと言おうものなら、「だったらやめれば」の大合唱で非難されることが当たり前だったたことを思えば、隔日の感があります。

ただ、対策として、
リンク教員不足に臨時免許対応も 文科省、各教委に通知へ : 日本経済新聞
のように「臨時免許状」だけだったり、
リンク中学教頭59%が過労死ライン 県教委調査 | 上毛新聞ニュース
の教育長のコメントにあるように「校長、教頭にさらなる問題意識を持ってもらい、自らの長時間勤務と学校全体の長時間勤務の解消に取り組んでほしい」といった驚きの「自助努力要請のみ」だったりです。

これでは、教職のブラックさが広く認識されるだけで、教職をさける人が増えるかわりに現場の多忙さは全く解消されないという未来が待っている感バリバリです。

そこでもう少し具体的に見てみましょう。
なお、個人的に親しい人からの情報が主ですので、多大なる偏りが存在することでありましょう。

教員のおおよその職務と所要時間を分析してみる

職務とその所要時間に関しては、小中高等といった校種や普通・専門、全日・定時、学校規模等でもずいぶん差が出るものだと思いますが、大胆に割り切って出してしまいます。

また、時間の算出は本当におおよそです。
これ、厳密な調査をしようとすると、教職現場に多大な負担を強いることになりますので、推定がベターと考えました。

あとは校種別に詳しい人に考えてもらうとして、おおよそ教員の仕事には週あたり100時間必要であるという結論に達しました。
以下詳細です。

授業(週18時間)

授業の持ち時間は小中あたりだともっと多く、高校あたりだともっと少ない感じです。
授業時間も1コマあたり45分とか50分とかいろいろあると思いますが、おおよそこのあたりで考えてみます。

授業の準備にかかる時間(週36時間)

定期テスト・小テスト・授業プリント等の作成・印刷も含めて考えています。

教科の特性とか考えず授業1時間あたり準備2時間と単純に計算してますが、理想としてはもっと必要なのではないかと思いますが、現実としては2時間取れている人はわずかではないかと思います。

大規模校では同じ授業を違うクラスで行うことが可能だと思いますが、近年クラス減と選択科目化が進み、同じ授業を何回も行うということは少なくなってきているのではないでしょうか。

クラス経営(週5時間)

クラス担任ともなれば朝・夕にショートホームルーム、週一でロングホームルームやら総合とか道徳とかの時間があったりします。
クラス担任でなくとも、学年主任や副担任でかかわることもあります。

清掃指導(週2時間)

クラス数が減り、クラスあたりの人数が減っても、学校の教室数は変わらなかったりします。
すると清掃箇所が増えてしまったりします。
全職員が毎日20~30分指導する(いっしょに清掃する)所が多いのでは。

放課後講習・準備(週6時間)

普通高校の進学校あたり、特に受験科目の担当だったりすると、かなりの時間を割くことになるのではないでしょうか。
実業校でも検定試験対策とかありますからね。

校務分掌の仕事(週5時間)

教務・庶務、進路指導、生徒指導など、教員それぞれに校務分掌が割りあたっている学校が多いと思います。
教務主任・進路指導主事・生徒指導主事などは、もっと多いと思いますが、その分クラス経営の時間が少ないケースが考えられるので、このあたりで。

場合によっては、教務や進路等以外にも、教員の○○委員会とか、PTA担当とか、同窓会担当とか、教員同士でも把握できないような様々な業務があるようです。

生徒委員会(週1時間)

生活委員会とか図書委員会とかの担当もあります。
生徒会担当や、生徒会誌編集委員会担当とかになると、文化祭などの大イベントや年度末が近づいたりするとそれはもう大変なことになります。

会議(週3時間)

毎朝10分程度の職員朝会を行う学校が多いと思いますが、学年会や校務分掌会は週1で行うこととして、職員会議は定例のもので月1、学校によっては臨時のものが随時入ったりもします。
他に成績会議なども。
学校評価もブームとなっており、週の半分以上は放課後に会議が入ることも珍しくない状況が増えているのでは。

授業研究や生徒指導、特別支援等に関する研修会も増加傾向にあります。
数年に1回の教育委員会御一行様来校というイベントや、外部での研修会での発表があたったりすることもあります。

報告など各種提出物・アンケート(週1時間)

出張伺・復命書、支出伺、各種起案書だけでなく、近年は個人評価シートの類が富に充実してきているようです。
さらに、教育委員会・文科省からの各種調査のみならず、市町村や大学の教授・学生からの調査も充実してきています。

部活動指導(週16時間)

1日2時間半プラス土曜日分としてこれくらい。
もちろん部活動によって違いますし、野球部・吹奏楽部等はまだまだありそうですが。

部活動指導の準備(週5時間)

何かスポーツでも極めていて、技術も知識もコーチング経験もあり、教員となってその競技の顧問になるというのはかなり稀な話だと思います。
むしろ経験のない部活動を予告なしに頼まれてしまう方が多いのではないでしょうか。
スポーツ以外でも、経験もないのに吹奏楽部の顧問となり、中学校時代に上位大会を経験した生徒が集まる高校の指揮をしていた先生を何人か知っていますが、かなり大変そうでした。

そこで、そもそもその競技を勉強する必要が出てきます。
吹奏楽部であれば楽譜の読み方からでしょうか。

部活動は担当部によって明暗がかなり出てきますが、着替え・片付けの時間や大会参加の申し込み、お金のやりくりなども含めて最低これくらいの時間は。

部活動顧問会の仕事・出張(週2時間)

たとえば部活動の地区大会などは、地区の顧問で運営することになります。
組み合わせの抽選会議だけでなく、大会直前の準備、大会当日の運営なども、自分の学校の生徒を引率しながら行うことになります。

もちろん無報酬の審判もついてきたりします。
生徒の動きに必死について行きながら、応援に来ている保護者の罵声を浴びるというのも、なかなかに切ないものがあります。

教員の長時間労働は解消できない

見積もりを削っていっても週40時間になる気がしない

ということで、これら教員の職務遂行に必要な時間を見積もって足してみると、週あたり100時間ほどになります。
まあ、平日は朝7時出勤~夜12時退勤プラス土日で15時間くらいで週100時間になります。

これは過労死ラインと言われる週60時間を軽々と越えてしまいますね。
1日8時間勤務としても(実際には8時間弱?)、月あたりの残業時間はざっと240時間ほどとなります。

ただ、実際に週100時間勤務となる教員はそうはいないと思われますので(いないですよ、ね、、)、みんなどこかで省略していることがあると思われます。
たとえば、授業の準備を1時間あたり30分もしてないとか、部活動は最初と最後の方だけとか。
(でも、それはそれで問題ですよね)

でも、どんなに削っていっても週40時間には到底なりません。
いっその事、全部半分にすれば国の働き方改革の目安である、残業時間の上限45時間くらいにはなります。
(授業する人足りなくなりますが)

にもかかわらず、「長時間労働は教員の問題意識が足りないからだ」「長時間労働にならないように校内で努力しろ」という方々には怒りすら覚えます。

臨時免許で対応できるのか

教員の多忙化は教員不足が原因であり、それは臨時免許対応で解決できると文科省は考えているのでしょうか。
リンク教員不足に臨時免許対応も 文科省、各教委に通知へ : 日本経済新聞

臨時免許による対応って、ほんの少しだけ条件を緩和しただけで、それによってどれだけの教員増になるのかが明らかにされていません。
対策を言うのだったら、その対策によってどれくらいの効果が出るのか見積もりくらい出せないと。
(数値目標化をお達ししてたのどなたでしたっけ)

会議・研修や報告業務などは教員数が増えても負担は変わらないので、教員増はかなり大胆にやらないと効果が限定的になりますが、そちらの数値目標と予算配分もぜひお願いしたいところです。

それでも解決策を考える

教員の多忙化解消のためにはかなり大胆に行かないとダメそうなのはご理解いただけているかと。
そこでこれはどうだという考えを。

部活動の外部委託化

乱暴に言ってしまえば、部活動って、そもそも教員が勝手にやっていることになっているので、手当なしです(でも責任は問われます)。

そこで、部活動をサクッと学校業務から切り離す。
教員にも大々的に副業を認めることとして、勤務時間外は希望教員を雇うようにすればいいんでないでしょうか(もちろん有給)。
場所も外部に貸し出すという形で提供する手もあります。

そう決めてしまえば、調整のための専門機関を作って詳細を策定していけばいいわけですが、そこまで教員側が心配することではないでしょう。

放課後講習・検定試験講習等の外部委託化

これは市町村単位で行ってもらう手もあります。
教員が副業として(以下、上の部活動の場合と同じ)。

そして教員増

上の2つと教員50%増で、だいたい週50時間勤務くらいにはなるのではないかと(かなり乱暴な試算ですが)。

最後に

結局、教育予算が大幅に必要になるわけですが、教育への投資って将来に十分帰って行きますので、ここはバンと大幅に教育国債を発行するのがいいのではないかと考えます(割とまじめです)。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

目次
閉じる