アクティブ・ラーニングはゆとり教育の失敗に学んでいるのか?

アクティブ・ラーニングはゆとり教育の失敗に学んでいるのか?

ゆとり教育を打ち出した時の、文部科学省のねらいを確認しておきましょう。

(子どもの現状と基本的なねらい)
○基礎・基本を徹底し、自ら学び考える力を育てることが必要
○子ども一人一人に応じたきめ細かな教育が必要

知識・技能は重要であるが、単なる知識の量のみではなく、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力まで含めて学力ととらえる必要がある。
(学習への関心・意欲・態度や将来の生活に関する課題に適応する能力を重視するのは国際的な流れ)
〈中略〉
 完全学校週5日制の下、各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、子どもたちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることはもとより、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ。
〈中略〉
(総合的な学習の時間)
1. 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる
2. 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする出典: 新しい学習指導要領のねらいの実現に向けて:文部科学省

対して、今度の新しい学習指導要領等が目指す姿の中ではこんな感じで述べられています。

・ 次期改訂の視点は、子供たちが「何を知っているか」だけではなく、「知っていることを使ってどのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」ということであり、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力や人間性など情意・態度等に関わるものの全てを、いかに総合的に育んでいくかということである。

「アクティブ・ラーニング」の意義
・ 思考力・判断力・表現力等は、学習の中で、(2)1.2)に示したような思考・判断・表現が発揮される主体的・協働的な問題発見・解決の場面を経験することによって磨かれていく。身に付けた個別の知識や技能も、そうした学習経験の中で活用することにより定着し、既存の知識や技能と関連付けられ体系化されながら身に付いていき、ひいては生涯にわたり活用できるような物事の深い理解や方法の熟達に至ることが期待される。
・ また、こうした学びを推進するエンジンとなるのは、子供の学びに向かう力であり、これを引き出すためには、実社会や実生活に関連した課題などを通じて動機付けを行い、子供たちの学びへの興味と努力し続ける意志を喚起する必要がある。
・ このように、次期改訂が目指す育成すべき資質・能力を育むためには、学びの量とともに、質や深まりが重要であり、子供たちが「どのように学ぶか」についても光を当てる必要があるとの認識のもと、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)」について、これまでの議論等も踏まえつつ検討を重ねてきた。 出典: 2.新しい学習指導要領等が目指す姿:文部科学省

確かに文言は違いますが、結局教育現場に要求されることはどれほどの違いがあるのでしょうか。

思考力・判断力・表現力を育むことは確かに重要なことですが、ゆとり教育でそれらを要求し、結果どうだったのか、その反省がないように思います。
にもかかわらず、教育現場にふたたび同様の要求をして、「教員の不断の努力」に委ねておいて、これだけで本当にうまくいくと思っているのでしょうか。
(まあ、うまくいかなかったら、「教員の不断の努力」が足りないということになるのでしょうが)

アクティブ・ラーニングは、ゆとり教育以前から提唱されている発見学習や問題解決型学習の系譜につながると思われます、それらが抱えていた問題点が何を原因として生じたものであり、どう具体的な施策を持って克服しようとしているのかが全く見えてきませんね。
(まあ、官僚組織や学術界に縁のない私には理解できないのかもしれませんが)

とすると、アクティブ・ラーニングもゆとり教育と同じような経緯をたどり、結局教育現場の教員の戸惑いと負担を増やすだけにならないか気がかりでなりません。

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